じっくり味わう本を読むには読書会が有効だと思う
タイトルで言いたいことは言い尽くしたので、そう思う理由を挙げたいと思います。
その本、読んだはいいけど理解できてる?
電子書籍のおかげで、物理的なスペースを気にすることなくつい気になる本を買っては積んでを繰り返してしまいます。 そうすると積ん読を消化するだけで消耗しがちです。
最近本を読むことをおすすめするエントリを書きましたが、やっぱりただ大量に本を 消費する だけでは効果は薄いと思います。 読んだ内容を自分の言葉、もしくはコードで表現できるようになって、初めて 理解した と言えるのです。 (本の種類によってはざっと斜め読みして、後で詳しく知りたくなったときのために頭の中にインデックスを構築すれば十分なものもありますが。。)
理解するためのひとつの方法として、本の中身について語り合うことが有効だと思っています。 その相手は同じ知識レベル、もしくは自分より上のレベルの人と話すことが好ましいです。 その機会として読書会を開く・参加することは非常に有意義だと最近特に感じているのでポエム書きます。
読書会って何?
まず僕が参加している読書会について、どんな感じにやっているのかをお話しします。 読書会に参加したことのない方はびっくりするかもしれませんが、基本的に音読します。 もし英語の本を読んでいるのなら一文、もしくは長い場合は適当なフレーズで区切って和訳しながら読みます。
そして1節程度読んだら音読する人を交代します。 また途中で気になるところがあったら音読を止めて、その内容について語ります。
その繰り返しです。
今までの読書会の思い出ほろほろ
まずは会社で リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice) 読書会をもう3年くらい前ですがやっていました。 「良いコードってどんなもの?」について同僚と意識と認識を合わせることができたのが非常に良かったです。あと、いろんな言語をやっている人がいるので「Java だとこう」「Ruby だとこんな感じ」など、言語の文化に基づいた議論ができたのも良かったです。
次も会社でですが、 Working With Unix Processes (English Edition) の読書会をやりました。 今なら なるほどUnixプロセス ― Rubyで学ぶUnixの基礎 - 達人出版会 で日本語版も買えますが、当時は英語版しかなかったので交代で和訳しながら読みました。 英語の本って一人で読もうとするとモチベーションを保つことが難しいですが、みんなで読むことで楽しく読むことができました。 あとは一人で読むと英語の理解でいっぱいいっぱいになってしまうかもしれませんが、そこは仲間の知恵を借りて英語を理解するだけにとどまらず、内容についてもちゃんと理解できたと思っています。
あとは @1syo さん、@miyohide さんが タネマキ | 横浜 コワーキングスペース - シェアオフィス でやってる読書会に一昨年の年末から現在も参加させてもらっています。 この読書会は毎週土曜日の10:40から、しかも英語の本というなかなか意識高い感じの読書会になっていますが @1syo さんと @miyohide さんがいるおかげでなんとかくじけずに続けられています。
読む本も3冊目に入りました。 ちなみに1冊目は Objects on Rails、2冊目は Working With TCP Sockets (English Edition)、そして現在読んでいるのが The Pragmatic Bookshelf | Growing Rails Applications in Practice です。
もちろん3人とも同じ会社で働いているわけではないのですが、本を触媒にして Rails の設計の話だとか、実物のコードがないとなかなか語れない深いレベルでお互いの知識を覗き合うことができるのでとても楽しいです。これは普通の勉強会だと体験できない経験だと思います。 そして、「みんな勉強してるんだなぁ。。。」と自分の勉強不足を毎回思い知らされるわけです笑
ご提案
ここまでこのエントリを読んで「読書会やってみたいな」「読書会に参加してみたいな」と思った方向けに、僕の経験を基にしていくつかご提案したいと思います。
読書会に向いている本はこんな本
レシピ本の様にリファレンス的につまみ食いして読む本よりは、何か一つのテーマについて一貫して書いてある本の方がいいと思っています。 レシピ本は一人で斜め読みして速攻で頭にインデックスを構築しておく方が役に立ちます。 (補足: レシピ本の読書会は、参加人数が多かったり参加者が開催日によって異なる場合には有効です。)
また基礎について書かれた入門書よりは実践、応用レベルの本の方が良いと思います。 入門書は一人で読んでサクッと次のステップに向かう方が良いのに対して、実践・応用レベルの本になると書いてある内容に関して賛否両論がある箇所があったり、疑問に思う箇所があったり、自分のこれまでの習慣に反することが提唱されていたりします。 そういう箇所を仲間と話し合うことによって、本の理解に対するレビューを行うことができます。
英語が苦手な人はぜひ英語の本の読書会に参加しよう
一人じゃくじけますからね。。 たとえ英語が得意な人がいなくても、数人で「これはこういう意味じゃない?」などと話しながら進めれば十分モチベーションを保つことができると思います。
一緒のチームじゃない人と積極的に読書会をしよう
一緒のチームの人とは読書会をしなくても実際のコードをもとにしていろんなことを話すことができます。 「このクラスはこう分割した方がいいんじゃない?」とか「変数名がちょっとアレだよね」とか。。
しかし一緒のチームで働いていない場合はなかなかお互いの知識を共有することができません。 教え合おうにも何を教えればいいのかわからないですし。。。
本を読みながらその内容に沿って、時には脱線したりしながら話すことによってコードを肴に話をするときと似た様な効果を得られると思います。 うまく説得力のある文章にできないのですが、本の内容をガイドに使うことによって、浅い意見交換に終わらずにちゃんと議論するレベルまで話をできる実感があります。
以上です。参考になれば幸いです。